水漏れ問題を解消するためのステップバイステップガイド

2025年11月
  • マンション排水管の基本構造と専有部の関係

    水道修理

    マンションに住む上で、意外と知られていないのが排水管の構造です。普段目にすることのないこの配管は、私たちの快適な生活を支える重要なインフラですが、その仕組みは一戸建てとは大きく異なります。マンションの排水管は、大きく分けて「専有部」と「共用部」の二つに分類されます。専有部とは、基本的にその部屋の住人だけが使用する部分を指します。具体的には、キッチンや浴室、洗面台の排水口から、床下を通って共用部の排水管に合流するまでの「横枝管(よこえだかん)」と呼ばれる配管がこれにあたります。この部分は、個々の住戸の管理責任範囲となり、詰まりなどのトラブルが発生した場合は、その部屋の住人が修理費用を負担するのが一般的です。一方、共用部とは、複数の住戸が共同で使用する部分です。各住戸の横枝管が合流する「排水竪管(はいすいたてかん)」がその代表です。これは、マンションの最上階から最下階までを垂直に貫いており、木の幹に例えることができます。各住戸の横枝管は、この幹に繋がる枝のようなものです。この排水竪管は、マンション全体の共有財産と見なされるため、その維持管理や清掃、修理は管理組合の責任と費用で行われます。この専有部と共用部の違いを理解しておくことは、万が一のトラブルの際に非常に重要です。例えば、自分の部屋の排水口の流れが悪い場合、原因が専有部の横枝管の詰まりであれば自己負担ですが、共用部の竪管の詰まりが原因で自分の部屋に影響が出ている場合は、管理組合に対応を求めることになります。見えない部分だからこそ、基本的な構造を知識として持っておくことが、マンションでの賢い暮らしに繋がるのです。